2015.03.30
Fine Tuning♪ 撮影:指揮者・原田慶太郎氏
黒い円盤が回転し、針を落とし、うっすらと音が流れ始める。聴く側と演じる側は一対一の相対関係の中で、同化していく。
幕が上がり、指揮者がタクトに命を吹き込むと、演じる側と聴く側は、溶解しまた同化する。
スピーカーと耳の間の空気が揺れるのとは異なる風のようなものが、会場に僅かに流れているのは、ライブ(実演)である。
冷え冷えとした宮殿で奏でられたクラシックと、冷暖房の効いた音響機器を調えた現在のコンサートホールで聴く音の違いは、検証は出来ないものの、明白である。
しかし、聴き手のこころの振動は、変動してはいないはずである。