DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2015.03.25

『食べる人』ばんからラーメン 創刊準備

 ラーメン業界というよりは、日本の料理業界の中でもっとも期待している花研のばんからラーメンチェーン店の会員メディア(食べる人クラブ)の創刊準備をしている。
 なんとなく、沖縄問題から集団的自衛権まで平和憲法の考え方が揺らぎ始めている。そんな中で、いわゆる国境なき料理屋さんとでも言おうか。ラーメン業界の海外進出は、頼もしいばかりで心の底から応援しなくてはならないと考えている。
 
 ばんからチェーン店の社長の草野さんは、何と言っても苦労人で、そこからくるキャリアにもよるのだろうが、判断が早く、想像力に富み、おそらく未来は料理業界に留まっている気がしない。
 翻って、日本も他国も料理を縦横無尽に受け入れ、フランス料理からイタリア料理、さらには南米のチリやひいてはアフリカの料理屋まで百花繚乱である。
 「食べ物に国境はない」
 しかし、食が原因で人は戦争を始める。ばんからラーメンは、考えてみれば外務省の仕事を担いながら、日夜その背脂スープの味を追求しているのである。




2015.03.25

月刊「美楽」2015-4月号

「瀬戸内寂聴」(出身地:徳島県徳島市)

 人は、与えられた生命を十分に燃焼し、その才能を発揮し、振り替えたときにできた足跡を線で引いたものを人生とするなら、瀬戸内先生ほどの艶やかな色に彩られた道はないと思う。
 二十数年前に嵯峨野の寂庵を訪れて以来、その多岐に渡る活動一つ一つが、私の人生の指南であった。座右の銘は「生きることは愛すること」。この意味も昨今、人から地球、地球から「無」へと昇華しているようにも思える。