DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2007.01.13

第1号「空を飛ばない蛇、魚」

 名古屋の冬は、東京に比べると2℃から3℃くらい温度も低く、また脊髄に染み入るような底冷えがするのは、十分承知なのだが常宿の東急ホテルから栄町まで朝の散歩に出掛けた。

 あの頃は、この噴水の周りに何千人もの学生が屯し、マルクスを読み、毛沢東に没頭し、ボブ・ディランを聴き、岡林信康を敬い、交番にいる警官に心無い言葉を連発し、そして破れたリーバイスのジーパンの穴から見え隠れする膝小僧を自慢していた。

 昨晩は当時(1971年)の栄公演の仲間が集まって、何もなかった様に過ぎた30年を忘れ、お互いの現在を話した。人間と言うのは不思議なもので、年齢を重ねても話し方や声はあまり変化しないものらしい。
その意味で我々人間のコンテンツとは、やはり「永遠」であり。「思想」であり。「哲学」であり「心情」であり、その時の「気分」なのであろうか。

 今年も自分というコンテンツを見失い、探せない日本人が、政治や経済や文化やそして三面記事を賑やかにするのであろう。

 こんなことを考えているうちに僕の体はすっかり冷え切ってしまい、早足でホテルに帰りついた。ホテルの玄関に続くスロープの壁に12の星座のオブジェが季節ごとに造作してあった。
日本では猪年にあたるのだろうが、西洋では年毎に星座をわけることをしないで、月ごとに分配したのは何故なんだろう。僕は、蛇年の魚座である。初占いによると、今年は大きな飛躍の年と書いてある。

 しかし蛇も魚も空を飛ぶ動物ではないだけに、やはり昼飯は名古屋コーチンの鳥丼にしようかなぁ。

 『今年のスローガン』

 「5cmづつ飛ぶヒヨコに見習い、決して高望みせずに基本動作にかえろう!」