DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2010.06.29

第29号 朝日新聞 星浩編集委員(内外時流研究会)

 朝日新聞 星浩編集委員(内外時流研究会)の講演のテーマは、参議院選挙。票によっては、民主と自民の大連合となり、そこで再び小沢さん登場!
 この間に、ワールドカップ明けのヨーロッパは、”火の車”。スペインからポルトガル・・・さらにはイギリスから大西洋を渡りアメリカまで、”総崩れ”。経済恐慌のワールドカップかな。

 国内経済は、国際経済と分けて隔てて、考える日本人の島国根性は、リスクの根源。選挙の戦況を語っている間に、地球のあちこちで”日本を揺るがす事件”が続出。

 「早く終わって、早く体勢を作り、早く税金を上げて、早く借金を返済しましょう」

星さんの声は、テレビのニュースステーションと同様に、癒し系。ワシントン時代に培った冷静な分析力は、説得力抜群。彼を、国会に送り込みたい心境になりました。





2010.06.20

第28号 月刊「美楽」7月号

『すいかのお面』

 春夏秋冬、それぞれの季節には、二つ三つの代表的な果物がある。しかし、夏といえば、断然西瓜と決まっている。
果肉の赤が、その存在感を主張しているのか、それとも、その圧倒的な容積の大きさと重量のせいなのか?

 入道雲が開花した西瓜畑で、大の字になると、秋の気配さえ感じない。雨の匂いもしない。燦燦とただ午後の日光が体に、染み込んでいく。
生暖かい果肉の中に、“がぶり”と顔を突っ込み、口の中の種を雲に向かってプット飛ばした。
「一つ、二つ、三つ・・・・」


 冷蔵庫が登場して以来、西瓜を切って、冷やして食べる人が多い。体は、冷えるだろうが、西瓜の本来の味は、消えうせている気がする。





2010.06.15

第27号 宮澤正明先生とモンゴルの行く末

 モンゴル航空のご招待で、ウランバートルを訪ねた。一昔前は中国の事を”近くて遠い国”と言っていたが、今や、中国は”怖くて近い国”。その中国を400年以上支配してきたチンギスハーンの国「元」がモンゴルである。そして”近くて遠い国”と言う言葉がすっきりはまるのは、今日モンゴルであろう。

 成田空港から約4時間ちょっとで、この街を訪ねると、自分の肉体がなにかの音に共鳴する。昔からゆっくりと流れているリズム。”先祖の血が流れる音・音”。僕の体の奥に、この街のメロディーが刻まれている。

 写真家の宮澤正明先生から、写真集のご提案を頂いた。
「東さん、一緒に”蒙古班”をテーマに、本(写真集)を造りませんか?」
「蒙古班を持つ民族は、南米にも、アラスカにもいるんですよ」

 飛行機の丸い窓から、今にも抜け出しそうに、東アジアの丘陵地帯に向けて、何枚ものシャッター切っている。何時間も飛行しているのに、なだらかな緑の丘は続いている。

 宮澤先生の右脳は、今、赤い鬣(たてがみ)の馬に乗って、羊を追っている・・・・シャター・チャンスという想像力は、無限に広がっているのだろう。

 月刊美楽に横綱白鵬氏が連載している事もあって、僕にとってモンゴルは
馴染みで、お世話になっている国である。

 翌朝、早く目が覚めて、ホテル(コーポレイト・ホテル)の周辺を、歩いている。空気の中に塵が少ないのだろう・・・飛行機で見た周辺の緑の丘が
鮮明に見える。昔、色数の少なかったクレヨンで、書いた故郷の山々にも似ている。

 日本の盆地は、湿度が高く、過ごしにくいい所が多いが、ウランバートルは、一日の温度の高低差が30度を越えても、清清しい。しかし、昨夕の空港からの車の渋滞は、無差別に、無意識に、無計画に増徴するこの国の未来に、僅かな不安も覚えた。
 日本のように、急ぎすぎないで、適当なスピードでアジア歴史を重ねて欲しい。急ぎすぎるのは、”人間の欲望”であり、”その凶器”は、どんどん”人間の幸福”から遠ざかってしまう触媒でもある。


 モンゴル航空の粋な計らいで、なんと60名もの楽団(モンゴル国立音楽)が、私の為に集い、コンサートを特別に聞かせてくれた。
 この感動を、この秋かこの冬あたりに、この壮大な音楽隊とともに、このモンゴルの風を含ませて、みなさんにお届けしようと思っている。

 宮澤先生の数千枚の写真も、ウランバートルの出版社(イルムン社)で製作しその時に、お渡しできると良いのだが。彼と僕の友情と、”日本の人生”とともに。






2010.06.08

第26号 日大ゴルフ部の西田しょうへい先生と東日本シニアツアー

 日大ゴルフ部の西田しょうへい先生と東日本シニアツアーでご一緒させて頂いた。”紳士のスポーツ”を絵に描いたようなお人柄で、フエアウェイを歩いていて久し振りに心が、解れた。気分がいいし、気持ちがいい。

「東さんは、よく飛びますね」
”あの”西田先生に、誉められた事で、気が入りすぎて、力がこぼれて、やがて弾けて、早速次のホールでOBを打った。

それも、止せばいいのにロングホールで2オンを狙い、すぐそこの木の枝に玉があたり、左にポトリと落ちて、カート道をころころ転がって、白い杭の外へ・・。
さらに、悪いことに、先に2打目を打たれた西田先生の足元を、玉が転がっていったのだ。

「東ちゃん、あれは、無茶だよ。アイアンで刻まなきゃ」シニアプロの徳永君は、既に2オンを済ませて、余裕の指導。

 人間は肩に力が入ると、いいことは無いな・・・・・。

「プロとは、”心の自然体を”、コントロールできる人」






2010.06.05

第25号 桜島のストレス

 桜島のストレスが、どんよりと街全体に雪のような灰を降らせていた。垂水にあるお墓の掃除を済ませて空港に向かう国道と道沿いの家は、この間に降り積もった桜島の灰で、噴火に埋もれそうな廃墟のようだ。
・・・・・何故、政治のことばかりで、地球の異変を告げる報道が、なされないのだろう。・・・・・

「しばらく、お墓に行けてないのよ。だから・・・」母が、申し訳なさそうに言った。

墓石に2センチ程にも、積もり積もった灰を洗い流しながら、先祖の家系図を指でなぞっていると、29歳の若さでマレー沖で戦死した父の兄弟の文字が浮かび上がった。幼くして無くなった弟の名前も久し振りに、読み取れる。

 人はやがて灰になって、地の底で深い眠りつくが、櫻島は生きている証に灰を吹き上げる。
 頂上に近い噴火口から、祖先の魂が、灰と一緒に浮かび上がり、やがてそれは、積乱の雲になって、僕の肩に、覆いかぶさってくる。