DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2005.02.12

第2号「築地場内のPRIDE」

TVや雑誌でたくさん報道・特集されたせいか、この築地の場内にある食堂街は、まるで大晦日の御徒町のように人が群れている。
というより、今日本中で、しかも365日客を並べる商店街だ。

特に、軒を並べた数件の寿司屋の前は何処も20人からの客待ちで、冬の寒風の中30分は待たされる。
日本各地の漁港の風をそのまま蓄えた、新鮮な魚の臭いにそろそろ鼻がなじんだ頃、やっとカウンターに案内される。

仕事のない土曜日の朝、早起きをして僕は築地を訪れる。
ここで季節の焼き魚を食べていると、気のせいだがこの“情け容赦のない今日の日本”に負けない気がするのだ。

今、隣でビールを飲んでいる中年のご夫人なんか、昨夜からの徹夜仕事をさっき終えて・・・とにかく上機嫌。
景気のいいときはそれなりに・・・悪いなら悪い時もそれなりに。
今日一日という相手に、猛然と体一杯のエネルギーをぶっつけて、今その戦いを終えた勇気ある戦士なのだ。

そういえば「プライド」と言う格闘技があるが、プライドとは“完全燃焼”の事を言うんですよ・・・友人の高田君も言っていた。
解るなぁ・・・悩み多き日本。プライドなき日本。