DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2013.06.20

第20号 月刊「美楽」2013-7月号

山中教授

 山中伸弥氏のノーベル賞は、日本国民にとって、誇りや自信を取り戻す。言って見れば、強烈な点滴となった。そして、私たちはその結果だけに注目しがちだが、プロセスに隠された意志の強さと努力、スタッフとの協力体制も並大抵のものではないのであろう。
 私たちはこの十年、簡単に物事の評価を決めつけるようになってしまったが、プロセスにも少し目をやらねばならないのであろう。





2013.06.11

第19号 Peach成田線の就航発表

 Peach航空の記者会見を考えることになった。私は、記者会見や商品発表会を考えるときに、二つのことを考えている。
 一つは、お客様が二層に分かれている、つまり、最初のお客様は新聞や雑誌やテレビなどで取材をしている人々で、次のお客様は彼らが各々の切り口で写真や文章をお披露目する、当然その読者である。
 二つ目に意識していることは、なるべく自由で秘密を持たないということ。わざわざ遠路はるばる話を聞きにきてくれるお客様には、なるべく楽しんでもらい、裏のない話をし、納得をして帰ってもらう、というのが常識であり、仁義ではないかと思う。さらに、付け加えていうと、記者の方々も四方八方毎日のようにノートとカメラを持って飛び歩いているのだから、大変であろうし、おそらく日々の仕事も飽きているに違いない。だからこそ、記者会見というものは、新鮮であり、彼らが驚かなければ意味がない。

 今回は、梅雨の雨空がくっきりとわれ、小雨の間に日差しが降り注ぐ芝の増上寺で記者会見が行われた。主人公は、Peach航空の井上社長であり、私にとって一番のお客様は、100社近く集まったマスメディアの皆さんであった。
 その日の夜から、NHKさんのテレビをはじめ、テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」、さらには、航空関係の専門誌にいたるまで、ざっと20億円近い(テレビの秒数や記事のスペースを広告費換算する)露出があったと聞いた。増上寺という場所を選んだ井上社長の自由でやんちゃで挑戦的で力強い経営者の判断の結果とも言える。






2013.06.07

第18号 三遊亭歌之介師匠

 TMI総合法律事務所の田中先生のお誘いで、三遊亭歌之介師匠の落語会に顔を出した。
 この会の趣旨は、鹿児島県出身である三遊亭歌之介師匠の落語をつまみに、鹿児島県の出身者が集うというものである。中には、J-WAVEの小笠原会長をはじめ、懐かしい面々が集まった。
 一般的に、鹿児島訛り(鹿児島弁)は、早口で薩摩藩がつくった独特のイントネーションがあるだけに、政治家から経済人、さらには芸能界やスポーツ界でも活躍している人は多種多様、いつもの標準語を使うのは中々難しい。つまり、鹿児島県出身の噺家そのものが私にとっては、新鮮なイメージがあった。

 赤坂のS亭の和室で畳を重ねた演台の上で師匠は南国特有の開放的な、しかも、たくさんのネタを広域的に立て続けに連発をしながら、それこそ1時間半ほど私たちを和ませてくれた。
 経済ものあり、政治ものあり、歴史物あり、ちょっとした下ねたあり。全篇にわたりある種の知性と品位が伴っていたのが鹿児島県人の私としても、誇りに思った。
 と同時に師匠である立川談志の弟子にたいする教育の素晴らしさも、そこに集まった経営者各位が学ぶ者が多かったのではないかと思う。

  
 ということで、ぜひとも美楽で執筆をして頂くことを願いつつ・・・