DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2012.01.31

第6号 マグレガーの思想

 マグレガーの広告を、夜な夜な制作している。
 好きなゴルフの仕事なので、気合も入るが、あまり好きなジャンルの広告に気が入りすぎると、広告主の要望とお客様からの支店と、僕の情熱が、入り乱れ、返って無頓着で意味不明で、広告の目的と意味と、メッセージが伝わらない駄作になる。

 僕が、中学生の頃、父のキャディバッグには、マグレガー・ターニーが入ってのを、確実に記憶している。それは、習いたての英語の単語には見慣れない文字だったから、妙に頭をひねくり返し、発音と、意味に悩んだ分だけ
印象に残っている、
 ターニーの、明敏な3番ウッド。

 マグレガーの広告を作るときに、一番気に留めたのは、他社の広告と並んだ時に絶対に、珍しく、驚きをもってもらうこと。
 やはり、目に留まらない、広告は、頭に止まらない、文字の意味も、写真の表現も、”印象的”で”直撃的”なアピールがあって、それからの始まるから。

 「脳写」と言う言葉で、僕は、自分の頭に、浮かんだイメージをなるべく忠実に再現する。脳写されたものを、広告主に照準を合わせないで、ややセンスのいいお客様に、目掛けて発射する、

   マグレガーは1897年に創業された、老舗。
 昨今、消えていくまでの時間を競争するようなマーカーの軽薄な存在を否定し、115年の信頼を、アピールしていきたい、そんな・・・・・・脳写の断片が、”眠れない夜”を紡いでいく。




2012.01.30

第5号 マイファームの西辻さんと美楽米を制作

 マイファームの西辻さんは、リクルートの後輩の中でも、最も期待できる事業家、政策家である。月刊美楽にも連載中であるが、”耕作放棄された農地”を再生し企業や、個人に貸し出して、「農する」事の楽しさや、喜びや、必要性を日本に普及している。

 西辻さんは、人相がいい。
いつも、畑にいるから、ストレスや、妙な緊張感が、顔に無い。

 人は第一印象で左右される。初めての客人を凝視すると、色々な事を創造する。日焼けした人は、この時期、スキーか、ゴルフの紫外線か、魚釣りか、海外のリゾート帰り。顔の皮膚がかさかさしている人は、病み上がりか、屋外での仕事の多い人。ネイルをしていない女性は、知的水準の高い人か、日頃家事を一生懸命している人。基本的に、肥満体の人は運動不足は当たり前、歩かない豪食家かな?

 美楽米は、「日の光」という最上級のお米らしい。
少し、多めに水を入れて炊くと、真っ白なご飯が、釜から浮き上がる。

 西辻君の真っ白い歯と笑顔のようだ。




2012.01.20

第4号 月刊「美楽」2012-3月号

 『雪解けの頃』
 
 地球温暖化といわれてもう数十年経つのだが、いよいよ日本も温暖化を肌で感じるようになってきた。
 ワインの生産地が北上し、拡大していく。
 アイススケート場に氷がはれない。
 北の国の桜の開花が早くなる。
 12月に秋刀魚が旬を迎える。
 
 やがて日本人の心が四季を感じなくなる。





2012.01.18

第3号 砂時計の砂

 美楽の砂時計が、評判が良く、あっという間に在庫が無くなり、お客様からもお礼の言葉を頂いている。

 砂時計の砂を見ていると、人生に似ている。一分間の砂時計は、一分間の命、三分間の砂時計の中の砂は、三分で無くなる。島根県に一年間の砂時計があるが、これが日本では最大ではないかな。

 砂時計の砂が、人生だとすると、砂の一粒は、”今”であり、”今日”であり、”現実”であり、”感情”であり、時の全てである。其の砂が、下の空間に落ちると、”思い出”に変わる。「結果」と言う名の「過去」である。

 砂時計の形は、瓢箪のようなもので、ほとんどの人は、落ちていく瞬間の砂を見つめるのは何故だろう。
 上の空間は、未来であり、其処にある砂が残った人生なのに、落ちてゆく瞬間と、少しずつ積もっていく砂を、眺める人が多い。

 来年は、上の形を”素敵”な物を、作ろう。




2012.01.09

第2号 上田正樹さんの仮歌録音

 上田正樹さんのCDのレコーディングが佳境に入っている。3月に発売されるアルバムは、日本の音楽社会に何かを提案してくれる傑作になる。

 上田さんも何度か足を運んでいるが、被災地の状況は物質的にも、悲惨なものだが、それ以上にダメージを受けているのが被災者の心、精神的なるものが大きい。文明が未発達の原始社会ならまだしも、ある程度の電化製品に囲まれ、石油の恩恵を受け、人工的な環境に育まれた生活になれた人間が、”不便”を強いられてている、さらに仕事も、無ければ、明日の目処もつかない。

 上田さんの声の魅力の一つは、”裸の心”が曝け出されるところにある。変な気取りも無ければ、偽装的にきれいな声も作らない。喉の奥の肺に近い声帯から直接搾り出された声は、特に、感情や心が強調される詩には、威力を発揮する。威力とは説得力である。

 いくら詩を書いているといっても、そんな歌い手(シンガー)の仮歌を歌うのは自分の録音以上に、神経を使う。

 久し振りのスタジオは、居心地がいい。工作室や、屋根裏部屋や、高校生の部室は、物を作る気分を高めてくれる。何処か、秘密めいて、謎めいて、
時間の流れる感覚も無くなり自由だ。

 妥協しながら、満足するのは、苦痛を伴いながら、心地がいい。





2012.01.03

第1号 あけましておめでとう・・・・・とは心からいえないとしになりそう

 新年を迎えた夜に、浜松町の芝大神宮に、立ち寄った。
しんしんと冷える夜で、人気も無い。

「今年は、何が起るか解からない」と言う人が多い。

昨年の震災や、東電の事故や、北朝鮮、欧米の経済状態の悪化、こんな時に
各国の首脳が、続々と交代する。

 民主党も、心細い、・・・・政治においては、有能なリーダーがいないのは、実はもう何年も続いている。

 ”神頼み”するにも、お願いすることが多すぎて、しかも其の順番も複雑。

こんな時は、一日一日、坦坦と、過ごしていくのが、自然なのだ。