DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2014.03.20

月刊「美楽」2014年4月号

「松山英樹」(愛媛県)
 
 スポーツの世界では、ある一定の周期でスター選手が誕生する。ゴルフにおいては、尾崎将司に憧れて、丸山茂樹が誕生し、丸山茂樹に憧れて池田勇太が誕生し、タイガー・ウッズに憧れて、石川遼が誕生した。
 この周期はどうも12年から15年の周期で、10歳前後の少年が24、5歳のスターを目標にして日々練習に、励むからであろう。
 
 松山英樹に期待するのは、彼に憧れる何万人もの強いゴルファーの誕生である。





2014.03.19

増上寺に続くあるお店の軒先で

 増上寺に続くあるお店の軒先で、閉店セールをやっていた。リーマンショック以来、売上の低迷に喘いでいる商店の数は、数十万とも言われるが、一方で、好立地好条件の場所で空き室となった店舗を数週間から場合によっては、2、3日の短期契約で貸し出される物件も増えている。

 JR浜松町駅は一日の乗降客数が17万人ともいわれ、ここから増上寺に続く参道は、昼夜を問わず人が途絶えることはない。一時客足が途絶えたものの、台湾や韓国、さらにはマレーシアを中心とした東南アジアからとみられる観光客が続々とこの道を通っている。
 軒先に趣味の悪いライオンのリュックサックを売っているのは、ひょっとすると『ライオンキング』を観に行った外国人観光客を当て込んでいるのだろうか。この2、3年で20種類くらいの店舗が入れ替わった中で、この雑貨屋さんの圧倒的な魅力は、いわゆる短冊ポスターを有効的に張っているところである。その数ざっと30枚。短冊ポスターには、ただ一言「ありがとうございました」と書いてある。
 おそらく外国人観光客が知っている言葉は、この「ありがとう」ではないだろうか。以前、NYに冬物のバーゲンを目当てに出掛けたときに、54番街のやはり雑貨店で「thank you」というポスターをショッピングウインドゥ上に張ってある雑貨店があった。僕はそこで、奮発して1960年代の古い腕時計を購入したのであるが、考えてみれば、商売の基本は既に顧客と商取引が成立したあとのイメージで物を売ることなのではなかろうか。
 とすれば、軒先にあるこのいかがわしいライオンのリュックサックも、今日中になくなる気がする。