DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2010.08.28

第41号 三遊亭きん歌改メ三遊亭鬼丸の事

 三遊亭きん歌改メ三遊亭鬼丸師匠は、10月号からの執筆者でもありまして・・・その昔から友人のVSNの加藤さんと同郷の信州は上田の生まれ、
その加藤さんの先輩でもアル、また美楽の執筆者でもある島田先生が、”講演”会長をいやいや”後援”会長を、お引き受けで、いらっしゃり、この度そのご縁で真打ご昇進の鬼丸記念にお呼ばれ、久し振りに”空しいテンポの速い毎日”からポカポカ暖かい日本の歴史と伝統をキッチリ継承する落語業界?の豊かさと、知己に富んだお話の数々に触れたのでありました。

 それにしても、最近の若者に聞かせたい日本語の美しくて、上手い達人の集まりにでした。





2010.08.21

第40号 月刊「美楽」9月号

『とうちゃんの船』

 今、目の前を通り過ぎていった風は、どんな心の風だったのか。風の中には、悲しみや喜びや笑い、時には怒りさえもあるように思う。
戦場を吹く風、麦畑に滞る風、校庭で無邪気に渦を巻く風。窓から台所に入り、居間から庭に吹き抜けていく風。

 父は、海に出掛け、風の中で仕事をし、母はいつも船の帆を見ながら、父に吹く風を束ねるのが仕事だったように思う。

 ざわざわと風の声がしたので、振り向くと、ススキの穂をまだ不透明な秋の風が揺らしていた。





2010.08.17

第39号 東京激暑38度

 女性自身とのコラボレーション商品の打ち合わせで、新宿へ。悪いことに駐車場のメーターが”暑さボケ”で、トラブル。炎暑の中で、車が出せず車内温度はどんどん上昇。オージーフーズの大野社長が心配そうにわざわざ駐車場に顔を出してくれた。

 走り出した車の、エアコンメーターはなんと38度。
最近のご挨拶は
「こんにちは」ではなく・・・・「ひどく暑いですね」

そう言えば、先日、違反でトラブルになった警察官は、
「暑い所、すみません」・・・・だって。

 体の中が、滾っている。血液がコンクリートに染み込んだ太陽の放射熱で、ドロドロしている。

 水風呂を求めてサウナへ。
小田和正さんのマネージャーさんが、
「こんな夏が、毎年続くと、日本列島は変わりますね。民族大移動で。北へ北へと、家を移る人が、多くなりますよ」
 

 友人の飼っているベランダのメダカが、熱射病で1匹死んだ。
今月に入って、熱射病で亡くなった人270人。救急者の出動回数16000回。

 暑い夏は、大きな人災を引き起こさなければと、懸念する。

写真に収めた、エアコンは、外気温度39度に、上昇している。




2010.08.12

第38号 倉本聡先生の「歸國」

 倉本聡先生の「歸國」は、太平洋戦争で命を落とした英霊たちが、今の日本に帰国し、驚愕し、落胆し、悲観し、”海の底に”再び帰っていくのがテーマ。
 携帯電話に驚き、老人ホームで悲観し、医療界のあり方に憤怒し、今日の親子関係に、苦言する。



 8月15日。マレー沖で散った僕の叔父さんも帰国する。





2010.08.04

第37号  モンゴルのウラン 

 モンゴル航空のガルダさんの紹介で、国営企業のモンアトム社のバダムダムディン社長(53歳)と会議。中学生の頃、ロシア文学にはまり込んだものの、登場人物の名前を覚えるのに四苦八苦し、何度もページを元に戻しては、読み進めたのを覚えている。・・・がモンゴルの人たちの名前はこの比ではない。

 さて、モンゴルは会社の時価総額のような物差しで、国家の時価総額を図った調査期間のデータによると、10年先は日本の10数倍の価値を持っていると言う。要は、レアーメタルを始めとした資源の埋蔵量。ロシアの支配下の元、大半の山々は埋蔵資源の量が測定されたというが、それにしても現在でも未開の土地。バダムダムディン代表の話も、この未知なる企業の将来に、遠く目を仰ぎながら暑い話をしてくれた。金、銀、銅、マグネシウム、石油・・・それにウラン。いやいや、無数の夜空に浮かぶ星座、アジア大陸のど真ん中を吹き抜ける風、そこで季節に流れながら暮らす人々、首都ウランバートルの喧騒と混乱と発展。

 僕は、いつから、このモンゴルに創造力を傾け始めたのだろう。
開高健先生の日記からなのか?それともチンギスハーンの伝記からなのか?何処かの映像が忘れられないのか・・・・いずれにしても今や、月刊「美楽」には、欠かせない横綱白鳳の原稿やら、モンゴル航空のガルダさんとの関係やら、写真家宮澤さんとの企画やら、深くて厚い関係になっている。

 9月から、月刊美楽のモンゴル版を発行する。上海版に続いての海外2版目。
 そう・・・・・きっと僕自身の血や魂のルーツを求めている何かが、そうさせている。そう・・・・日本探しのヒントを求めて。
 僕の骨は、この青い雲の下の草原に横たわるのがお似合いかもしれない。