DIARY:夕焼け少年漂流記

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2008.07.14

第28号 月刊「美楽」8月号

『足利の花火』

 電信柱に貼り付けられた映画のポスターの下に、雨で滲み、墨で書かれていた花火大会のビラが貼ってあった。友人たちは、思い思いの浴衣を羽織り、夕食にするおにぎりを紙袋に入れ、渦巻状の蚊取り線香をいくつかに割り、台風で流れる雨雲の様子をラジオで聴きながら、いつも小魚を追っている川原に出かけた。
 花火がはじるまでの間、妙にどきどきしていたのは、土手の僅かなスペースを使った観覧席の斜め後ろに、好きだった女の子が両親と共に座っている。


 携帯電話でたくさんの小学生と中学生が、いじめに遭い、苦しみ、そのせいで命を落としている。
 天に向かって伸びていく花火の味わい方も昨今は、昔とは随分変わってしまい、その音や美しさや風に流されるせつなさを味わう間もなく、一斉に携帯電話のカメラのスイッチを押す。

 私たち大人は、今の子どもたちに、“夏の花火”の記憶をどう美しく残してあげられるのであろうか。それとも、“夏の花火”は単なる一夜のイベントとして消化させてしまうのであろうか。





2008.07.11

第27号 モバイル「美楽」のご案内

 7月10日より、鰍bAモバイルとのタイアップ「モバイル美楽」がオープン致しました。
 雑誌と連動した本企画は、本企画は、誌面では"「美楽」太鼓判!"という商品紹介ページを設け、携帯電話・ショッピング購入サイトNo.1の「ONE☆FESTA」で商品を購入することができます。
 
 いい商品を厳選して、驚くような価格でご紹介しますので、一度ご覧下さい。



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●NTT docomo
 i Menu→ メニュー/検索→ショッピング/チケット→くらし/雑貨 →ONE☆FESTA

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トップメニュー→カテゴリで探す →ショッピング・オークション →総合通販 →ONE☆FESTA

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2008.06.20

第26号 フィリピン観光省 ジョセフ H. デュラノ長官と対面

 「美楽」の11月号で5ページもの広告をお申し込み頂いたフィリピン観光省 ジョセフ H. デュラノ長官とお目にかかった。
 どこかの国の選挙疲れをした政治家たちとは異なり、一見、音楽家風でやわらかい物腰がフィリピンという国を象徴するかのようだ。

 広告プロデュースを担当する潟Cンプレジャーの酒井さんの話によると、とにもかくにも正真正銘のロマンチストだそうだ。9月後半にフィリピンの島々を周る取材は、どうやらくじ引きになりそうだ。







2008.06.18

第25号 月刊「美楽」創刊一年号(7月号)

『山ゆり』

 月刊『美楽』は、創刊して1年目を迎えました。その間に、六十数名の執筆者の方々や、五十社近い広告主の皆様、さらには数千箇所で読者に本を届けていただいている関係者の皆様。考えて見れば、本の存在以上に、こうした方々との“やりとり”が、私にとっては大切なものとなりました。
 7月号から、表紙に安藤勇寿さんをお迎えしました。この絵のタイトルは、「山ゆり」。日本列島で春から秋にかけて見られる山ゆりは、昔から登山家たちの間で疲労した体を、ふっと癒す“天然の水”とも言われてきました。その白い花に触れた瞬間、山人たちの気分は登り始めたる“最初の一歩”を思い出すとも言われます。

 安藤勇寿さんの絵には、私たちが元気になるための“最初の一歩”となる栄養素が含まれているように感じます。それは、まだ間に合う「本当の豊かさ」という名前の日本の原点なのかもしれません。





2008.06.13

第24号 安藤勇寿先生と中谷事務所の淺野さん

 創刊1周年号の7月号の表紙を安藤勇寿先生にお願いをしてから、毎日、どんなときも安藤先生の絵を「もっと日本に広めたい」というプランが動いている。
 安藤先生の絵とメロディを合わせて、日本の原風景をモチーフにした童謡を作ったり、安藤先生の絵の中の主人公を動かして童話集を制作したり、場合によっては、良い商品や良い薬のパッケージにしたらどんなに素敵だろう・・・・・

 例えばそんなアイデアのやりとりもあって、この日は中谷彰宏さんのプロデューサーでもある淺野さんと安藤先生のツーショットを演出してみた。





2008.05.26

第23号 假屋崎省吾さんと“花のマーケット”の打ち合わせ

 假屋崎さんは、僕と同じ鹿児島生まれ。
 テレビのブラウン管から感じられるイメージとは異なり、感覚的な判断だけでなく、経験に裏打ちされた科学的な視野のマーケティングができるアーティストでもある。
 それになんといっても、憎めない性格である。来月開催される「洞爺湖サミット」でも、假屋崎さんの作品が世界の首脳たちの目を楽しませ、フラワーアレンジャーとしての評価も一層高まるだろう。

 とにかく、日本人がとっくのとうに忘れてしまった”花の美しさ”というものを再認識するには、假屋崎さんの力が大きくなる。

 假屋崎さんは、“花の精”なのであろう・・・・





2008.05.21

第22号 月刊「美楽」6月号

『雨学』

 車社会について予測した「クルマロジー」という本の中で、人間の肉体と文明の関係は、あたかも反比例するように、例えば高速道路の距離が伸びれば、歩行距離が縮まる、電卓が普及すれば、当然のように暗算ができなくなる・・・・と警鐘を促している。
 マクルーハンもコンピューターの普及は、社会の合理性を高める一方で、頭脳の劣化に繋がると予測していた。

・・・・・とするならば、モバイルネットワークの普及は、私たち人間社会から何を奪い去ろうとしているのだろうか。文字なのであろうか。言語なのであろうか。それとも、個々の人間に対する興味や関心なのであろうか。
 地球環境の変化の中で、今年の梅雨は早くて短いといわれる。天空から落ちてくる雨粒の大きさも、少しずつ大きくなっている気がする。本来、木に誘われ葉を青くし、大地の養分を豊かにする梅雨も舗装された地面を一気に海へと駆け抜ける。
 我々は、雨から何を学ぼうとするのか?その好奇心すら捨ててしまったのだろうか。





2008.05.17

第21号 四川地震と北京

 中国大飯店の20階は、“豪華閣酒労”といって所謂VIP用ラウンジである。ドイツからきたビジネスマンやオリンピックの打ち合わせに来たフランス人など、中国で言う高級官僚たちが宿泊するフロアである。
 
 窓の向こうに白濁とした空が低く広がり、高層ビルが視野を塞いでいる。ビルの上のネオンサインは流暢な筆記体の漢字で、ネオンの制作費は随分とお金が掛かるだろう。ビルの外壁にかけられた垂れ幕のような広告メディアも10メートルを超える巨大なものが多く、まさに面積と派手さで勝負している。


 四川大地震から90時間が経とうとしている。テレビの画面は救援隊と被害者の情報をひっきりなしに流し、志望者が2万人を超え、行方不明者が3万人・・・それに各国の救援支援がうんぬんと・・・・。 
 ラウンジでアイスティとフルーツを食べていると、格差社会などという意味のない現象の本質にある人間の不平等を感じる。
 生まれた場所、出会う人などによって、人間の人生が左右されるとするならば、チャンスは必ずしも平等ではなく、あらかじめ与えられたチャンスをいかに有効に使うか、というだけに留まる人のほうが多いのではないだろうか。

 30数年前初めて北京を訪れて以来、確かに北京は大きな変革を遂げたし、中国も経済的成長を続けているように思うが、どこか不似合いな洋服を着せられた子供がいつの間にか大きく成長し、居心地の悪い街に戸惑っている気がする。





2008.04.18

第20号 アントニオ猪木さんとレコーディング

 アントニオ猪木さんと3年ぶりに仕事をした。これまでもたくさんの格闘家からボクサーまでキャラクタービジネスをプロデュースしてきたが、やはり猪木さんは”巨星”である。

 昭和30年代の後半から、50年以上も様々な話題を提供し、我々を楽しませてきてくれたその才能と想像力とビジネスセンスの良さは未だに健在で、今後とも猪木さん以上のタレントはおそらく現れないのではなかろうか。


 携帯電話の仕事でこの日も
「元気ですか!! 1・・・・2・・・・3・・・・!?」
を、収録したのだが、この言葉を誰が言ったとしても、音にも絵にもならないはずである。
 猪木さんはきっと、絶対に永遠なのである。




2008.04.17

第19号 月刊「美楽」5月号発行

『舞芽』

液晶テレビから、携帯電話まで大手家電メーカーの事業の撤退が相次いでいる。消費者の変化への対応の遅れや、短期的に成熟した市場に、無防備に集中し過当競争が行われていることが原因である。

21世紀を過ぎて、ほとんどの企業が生産性の向上のためにリストラを行ったが、日々変化、減少縮小していく市場に対応するのが、精一杯の状態でもある。ヒット商品を誕生させても、ほんの一年で終わる。
生き残りサバイバルレースは、中長期的な視点を無視して、近視眼的に利益を追求すればするほど、我々消費者には必需ではない付録的な、邪悪な商品が配列する。

今年の春は、人間や地球に“百年後も貢献するような商品”は、発芽したのであろうか。
日本の美しい庭は、その芽が舞うこともなく、夥しく腐敗した食品偽造問題や、詐欺的な商品のニュースばかりに埋もれているような気がしてならない。


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