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2009.11.20
第40号 小松小旅行
小松空港からすぐの片山津ゴルフ倶楽部は日本海の風重たくまるでリンクスのようだ。
よく、関係性を表す単語で「・・・・と・・・はリンクしている」と言うが、海(大西洋)と、海岸線をつなぐ、海原をリンクスと言うらしい。
従って、全英オープンが開催される、幾多のコースは、砂山が固まったような瘤(コブ)上のフェアーウェイと、ヒースといわれる葦の草原と、抉られたようなバンカーで、しかも白球は風任せ。
設計者は、そう・・・・潮風と海岸で遊ぶ自然なのだ。
白山コースはやっかいなプロ向き。まるで、羊飼いが出てきて、枯れ草を固めて、プレーを始めそうだ。モグラの穴もあるかな?
暗い日本海の向こうに、僅かながら夕陽がその額を出している。18番ホールが、光っている。
「ゴルフとは、自然を味方につけるたほうが勝ち!」
僕たちは、自力でプレーしているようだが、実は人生も運命という見えない風に吹かれているに違いない。
2009.11.18
第39号 月刊「美楽」12月号
『風化』
枯れた薄が視野の限りに拡がって、まるで海をベージュ色に染めたみたい。
こんな日にも、やわらかい日差しを含んだ南からの風がサワサワサワと流れている。“ススキの海”はやがて満ち潮に変わり、僕たちはその中に潜りこんで、かくれんぼをしていた。
子どもたちが季節を感じることは、時の流れを学ぶことであり、“秋の海”は良い教材になっていた。
2009.11.16
第38号 夕焼け寸話
夕焼け空が久々に、東京の空を覆った。夕焼けは、明日に続く夢の種。
今日一日の、最後のエネルギーが、一瞬にして発散され、放射し、やがて
みんなに、惜しまれながら、暮れていく。だから切ないし儚いし、吹っ切れれば元気である。
それにしても、今夕の夕焼けの色は、なんと複雑で単純なんだろう。雲の奥に控える太陽の紫と、黄金色の風が、澄んだ午後の空の青を置き去りにして、現実と夢遊している。
2009.11.10
第37号 スペースデザインの折鶴
スペース・デザインの来年の広告を制作中。リーマン・ショック以来すっかり欧米人は日本から退去(・・・・した振りかもしれないが)。高級賃貸マンションは、中国人とインド人さまのみが、以前主たるお客様。本来は、1945年の戦後から”こうでなければ、ならなかったのだが、やっと日本の美徳をモチーフに、広告が展開できる喜びで一杯です。「折鶴」は、手先の器用な日本人が、心をこめて作り上げるサービスの象徴である。
僕たちの日本は、地球地図の中で、奇妙で微妙な位置にあり、しかも交通手段の不便な時代は、独自の経済と文化と政治と、人格を形成してきた。資本主義なる経済の世界的成長は、やがて、アジア大陸に触手を伸ばし、その過程で、日本は、明治維新なる市場開放を迫られる。その後は、ご存知の通り、数回の戦争に直接参加し誰かの計算通り敗北し、人数以外のありとあらゆる精神的なる物も失いつつある。
間接的には現在も戦争に参加し、60年前の敗北の、代わりに得た保険金の支払い現金が、今まさに無くなり、生活に困窮の様相が見え隠れし始めた。
「折り鶴」を見ていると、日本人の才能が”悪くない”事に、励まされる。
2009.10.21
第36号 讃岐うどん屋「おぴっぴ」
西新橋の讃岐うどん屋「おぴっぴ」は、20歳の後半によく通った。
リクルートがまだ銀座にビルを移す前の話。当時から、居心地のいい会社で、仕事があろうが、終わろうが、日曜日でも祝日でも、とにかく大学のクラブの部室のような雰囲気で、みんなが会社で、溜まっていた。
夜になると、ビルの裏手にあるこの「おぴっぴ」で夕食を食べた。
あの頃は、ダイエットなんて言葉は無かったし、ましてやメタボなんて肥満体を中傷し批判するワードも無かった。
そう・・・・・薬品市場が広告市場に侵食される以前の話。思い起こせば、僕の歯も20数本健全に、白く輝いていた。
この日のうどん・・・・・”懐かしい”を通り越して、何か明日の”エネルギー”をすすったな・・・シュルシュルッ・・・・・
2009.10.20
第35号 月刊「美楽」11月号
『凍てつく夜』
星が流れる音がしたので窓から空を見上げると、凍てついた夜空にたくさんの星たちが何かぼそぼそ、こそこそと呟いている。僕は星を一つずつ手の平に集めて、湯船につけてあげた。
冷たくなったたくさんの星を湯船につけると、再び輝き始め、北の空に元気よく飛び出していった。
「あったかくなったよ・・・・」
2009.09.24
第34号 月刊「美楽」10月号
『おちんちん』
体が温まると心が温まる。そして、気持ちも温かくなる。気持ちが温かくなると、喜びや悲しみ、怒りや何より人生が楽しくなる。気持ちは私たちにとって生きる上で最も大切な“感情”を司る。
今の日本では、この“気持ち”がどんどん薄くなっていると思う
「体が冷えるから、早くお湯に・・・・」
私は今になっても、湯気の向こうの風呂桶につかった父の声が聞こえている。
2009.09.18
第33号 戸張捷さんと水口さんのコラボレーションで・・・
戸張捷さんは、僕の人生のまさに兄貴分。滅多なことでは相談もしなければ、お願いも出来ないし、ましてや100歩後ずさりしてもゴルフコースの予約なんて・・・・・有り得ない。
先日、バリューゴルフの発行人でもあるリクルート時代の友人水口さんと、お茶をして、ものの30分の会議で、たくさんの企画が誕生した。
この日記でもご存知の通り、私は、散歩ゴルフの達人を自称しているコース狂であるし、水口さんのバリューゴルフは、ゴルフのフリペで、日本全国30万部の巨大メディア。
「やっぱり、戸張さんに頼んでみようか」
「そうですね、やっぱり、戸張さんですね」
と言うことで、
近々、値上げが予想される煙草市場の禁煙グッズ・・・・そうです僕の自慢の作品「アーススモーカー」のPRをお願いした。
禁煙地帯が広がる、ゴルフ場で、お困りのかたは、
バリューゴルフ(何処のゴルフ場でも見つかります)を手にとって、戸張さんの広告ページをご覧ください。
「一本売れたら、チャリティーをしよう。」
そう言って、戸張さんは、トーナメントに消えていった。
「東さん、一本、煙草ください」
水口さんは、人なつこい顔で、僕の煙草を一服した。
しばらくして、バリューゴルフの発売日に、葛西のロッテゴルフを訪れた。ラック一杯に溢れた本を手に取り、来年は、ヒットすること間違いなし。そんな感触が、久し振りに電光飛来。
この3人・・・・・・何か始まりそうな予感。
国会で、煙草の値上げ論争が、始めり、3000万人のマーケットが動く!
*ちなみに、煙草が1000円になると、2000万人の喫煙者が、禁煙し断煙し、しかし、煙草税は、4兆円にUP!!!一方で、肺がん患者が減少し、年間33兆円の国民医療費のうち、数兆円が浮いてくる。
財源に苦しむ、政府も、”黄金の隠し玉”なのである。
2009.08.28
第32号 FTV(ファッション・ティービー)のカフェがオープン!
ファッション・ティービーのカフェがオープンし新しいコンテンツの夜明け・・・・。全世界で数億人が視聴しているFTV。CNNやMTVなどの人気番組と肩お並べている巨大放送局のアンテナ・プレゼン・ショップが顔店。
友人のI氏が、言い切った。
「音楽も、スポーツも、既に新鮮なコンテンツとは、言いがたい。食事を始め、全てのコンテンツと共存できるのは、ファッション」
おそらく、2010年には、わが国でも知らない人(若者はもちろん)はいない番組に急成長するであろう。
ちなみに、I氏にこの局の役員を命ぜられているが、責任の重さを痛感している。
「まず、自分の衣装から、見直さなきゃ・・・・ダイエットシテ!」
2009.08.20
第31号 月刊「美楽」9月号
『遠い国』
日曜日になると、僕は決まって海に出掛けた。気ままに形を変えたたくさんの雲たちが遠い国から僕のほうに向かってくる。
水平線の向こうからは、生まれたばかりの貿易風が流れ込んでは、新しい文化や価値観を置き土産にしていく。
日本は、四方を海に囲まれた島国である。諸外国から無制限に飛んでくる“雲のような情報”を、無意識に受け止めていると、いつの間にか本当の“日本の空”が見えなくなる。
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