DIARY:夕焼け少年漂流記

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2005.11.02

第12号「芦原温泉・紅屋にて」

S化粧品のI氏が代表を務める福井のゴルフ場で、冬が来る前に裏日本で一戦交え
ようという話になった。

宿敵がゴルフ場に前泊して充分な睡眠をとるようだ・・・・と聞いて、慌てて僕も金曜日の最終便で小松空港に向かった。
 ところが空港に着いたのはいいが福井、石川あたりの温泉場は、昨今の格安温泉プランなどの企画商品が爆売れしているらしく、超満員、素泊まりなどはもってのほか、”猫の寝るすき間すら無いのだ”。

ましてやいつも”ふらりと予約なしで旅をする”僕は呆然自失。冬が近づく冷たい小雨の日本海の砂浜に呆然と立ちすくみ・・・と言うことですっかり気持がダブル・ボギー。

こんな時は必ず出番が回るJTBの原田君に、緊急出動をお願いした。
「最高級旅館の、一番いい部屋しか空き室が・・・・」
散財覚悟でお邪魔したのが有名旅館の「紅や」である。
ここの自慢は、和風庭園。クリスマス・ツリーのように、三角形に縄張りの雪支度をした松が、
鹿児島産まれの僕にはとても新鮮だった。


万事がこの準備不足である・・・・ゴルフのスコアーも大散財となってしまった。




2005.10.23

第10号「浪速の3兄弟は、日本を救う」

金平桂一郎氏(協栄ジム会長)からスパーリングをお見せしたいと連絡が入った。

 協栄ボクシング・ジムに、(30年に1人の逸材が3兄弟分合わせると、100年に一人とも思われる)・・・・亀田3兄弟が移籍してきた。大阪(浪速)の西成で、父史郎さんが開発した全く独自の練習方法でスーパー・サイボーグ・格闘家として鍛錬された興毅君(19歳)、大毅君(17歳)、和毅君(14歳)である。

 僕が具志堅さんや、鬼塚さんの世界タイトルマッチをお手伝いしていた頃と比べると、現在のボクシング業界は極めて脆弱。要は、世界級の選手が育たないのだ。この時代にボクサーと言うストイックな職業を目指す若者が少ないのは、当たりまえだが、それ以上に”若者のこころ”が変化してきている。

つまり正正堂々と戦わなくなった”日本の大人たちが一番の要因。裏側でずる賢く、政略的に、金と権力の力で利権を手に入れるのが勝ち組といわれる。そして”賢い”人たちは、決してボクサーのように血や汗を流さない。流した血や汗を人に売買するために、リングサイド(ポータル)を陣取っているのだ。

 僕は、どんなことがあっても、この3兄弟を応援して行こうと思っている。
亀田3兄弟に触発されて”真正面で打ち合う”ことの潔さを感じた若者が少しでも評価されるように!





2005.10.23

第11号「嵐山の艀」

嵐山西武グループの経営の一角を担う大橋さんのご招待で、久々猛暑の嵐山を訪れた。

琵琶湖のほとりのプリンスタワーで一泊し、翌日杉田ゴルフ場で親善コンペを・・・・というお電話を頂いたので、時間があったら湖に流れ込んでいる川の上流にもあたる嵐山で「鴨のお鍋」を食したいとずうずうしくも、無理をお願いした。

嵐山に近づく道は、修学旅行のバスや観光タクシーが狭い道を塞ぐのでいつも必ず渋滞になる。
このイライラから解消されて、のんびりとした艀で料亭に向かうと、気分は180度変わる。東京の分刻みで動いている時間軸がほぐれてくる。すると食欲も一層増すのだ。




2005.07.15

第9号「小倉優子は【オンライン・ゲーム】を制覇する!」

(株)フェイスを経営する友人の平澤代表のプロジェクトで、「Rose On Line」というゲームの記者会見を依頼された。

そもそも平澤さん自身が、21世紀の産業という海を走る日本丸の船長のような人だから、何も韓流あたりのゲームを開発販売することも無さそうだ・・・・とは思ったものの・・・・いやいやプレーしてみると意外と面白い。もし、僕が16歳あたりの“少年期”に帰れたら、母の目を盗んで連日徹夜、“目に見えない敵”との決戦に目を紅くするかもしれない。

一般的に、我が国のオン・ライン・ゲーム市場は、お隣の韓国と比較すると5年程度の遅れをとっている。
おそらく市場規模で600億円程度、しかしこの冬に発売予定のマイクロソフトの「Xb 0 x360」をはじめとする新型のゲーム機が対応可能になっていることもありユーザー層は、飛躍的に拡大するであろう。

そんなこんなで、平澤代表と“何処か根の暗い秋葉族も取り込んでより健康的なゲーム市場を開発にしたい”というのが、ふたりの合言葉。
記者会見の終了後のパーティではゲーム・キャラクター兼司会の小倉優子氏も「村上バンド(ファンド)の村上さんから一言・・・・?!」などど健康的な笑いに包まれていた。

楽しみな船出である。平澤さんの”知性と良心”は、若者を変える。




2005.05.23

月島もんじゃ

 




2005.05.22

第8号「大人の為の、大人による・・・・ジョージ・ウインストン2005:東京公演」

日本テレコムさんにスポンサーに成って頂き、ジョージ・ウインストンのコンサートをプロモートした。

大親友の日本テレコムの富村氏(元リクルート)から、”地味でも、質の高い、本物のいい音楽”を提供したいというオーダーもあり、真っ先に浮かんだ音楽家は、ウィンダムヒル・レーベルの時代から40年近くも根強い人気のあるジョージ・ウィンストン氏だ。・・・・・(彼なら、一流で、お客様が通であればあるほど、高い評価をいただける)
と言うわけで、渋谷のオーチャード・ホールは、一見しても判るような玄人音楽ファンで超満員。それにテレコムさんの招待客(VIP)が加わり、一層荘厳な空気を漂わせている。
ステージ上に、漆黒のグランド・ピアノが一台。装飾と言う装飾は一切無し。まるで、竜安寺の石庭を思わせる。このアーティストそのものが質素で簡素、“音とメロディー”以外のものは無駄なのである。

そもそも、“体を動かす音で構成された音楽舞台”に、支配されすぎたのが、日本の業界。
其処に近づく、”大人の音楽マーケット”を、本気で考えている人も少ない。
つまりこのコンサートは、近未来の音楽ファンに贈るテレコムさんと、僕の“音楽文化の実験ライブ”でもあるのだ。

テレコムさんの粋な計らいで、コンサート終了後に、簡単なパーティが開催された。
普段、この種のクライアント実施の場には、めったに顔を見せないジョージもTシャツ姿で参加。
10分前にコンサートを終えたばかりなのに、疲れも見せず満面の笑顔で写真撮影から、サインまで徹底して応じてくれた。

「Mr.ヒガシ、日本も音楽が解る人が増えてきたね。すごく気分がいいよ・・・」
楽屋に帰る通路で、細くて長い指で、永くて熱い握手を求められた。

音楽を愛する日本テレコムの倉重社長、富村副社長、松原部長、そしてキョードー東京さんに、感謝!感謝




2005.05.07

第7号「石和の駅」

友人のフェルドマンさんの別荘に招かれて、早朝の「あずさ7号」で石和温泉に向かった。

中央線は肉体で言うと、心臓に向かって深深と走る静脈のような路線。
神奈川、山梨、長野と徐々に列島の最深部に向かい潜るように山間を縫って走る。
車窓から“森の精”が入り込んできて、乗客を何処か神聖な気分にさせてくれる。

残雪を僅かに残した南アルプス連峰が見え始めた頃、葡萄や桃の果樹園が線路の左右に拡がり、小さな農家が散在するのが、なんとも心を和ませてくれる。

8号車には連休中にも関わらず、客が僕一人しか乗車してない。
孤独で、静寂であることが、最高のバケーションである。





2005.05.04

第6号「若者は“ヒーローを闘いに求めている”K1ミドル級戦」

人生の目的や生きていく意義がなかなか見つからない。
社会の仕掛けが複雑で、自分という存在が“解りにくい”時代なんだろう。
そこで、若者たちはヒーローを求める。
簡単に捜せるヒーローを。

自分をヒーローに擬えるために(なぞらえ)、さらに“なりきって”感情を移入するには、何といってもスポーツ選手、中でも格闘技の選手が一番である。

この日K1ミドル級に、集まった”ヒーロー探し”の観客は1万人。
今日は、四角いリングに、10000人の人生が燃焼するのだ。




2005.04.28

第5号「渡さんは自転車に乗って天国に出かけた」

「小金井公会堂で追悼コンサートなんて先輩らしいですね」久しぶりに乗り込んだ中央線の窓に、30年前と同じように自分の顔を映している。
少しも変わってないなぁ?
ここ数年、思想も文化も哲学も感じない最近の僕の生活?
昔の仲間がステージで唄うのを、舞台の袖でそっと見ていた。
アンコールの曲が終わるとステージ中央に掲げてあった高田渡さんの遺影が、吊り上げられて・・・天国に昇っていった。
「やぁ久し振り・・・」てな感じで楽屋に行くのも気が引ける。
かといって、このまま帰るには、なんとなく中途半端な気分。
ファンが出て行くのを待って、舞台の最前列に飾ってある高田渡さんの写真に近づいた。
たくさんの花と日本酒の向こうに、“自分のサイズどおりに生きいく事に徹した渡さん”が在る。




2005.04.09

第4号「朝靄の桜島」

心が騒がしい毎日を繰り返していると、不意に先祖の墓参りに行きたくなる。
この日は、早起きをして、午前6時過ぎの垂水行きの船に乗った。
デッキで深呼吸をすると、体中の毛細血管が、何百年も前からの風に癒されてくる。
穏やかな湖のような錦港湾はまだ布団の中。
その時、誰かの声が聞こえたような気がした。
何十人の東家のOBたちが、桜島の麓から手を振っている。
「また帰ってきましたよ」と、僕は“逢いコンタクト”。

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