COLUMN:日刊ゲンダイ「数字のホンネ」

2008年7月28日 | 2008年8月11日

 

2008.08.04

日刊ゲンダイ「数字のホンネ」第70号 日本人の4人に1人がかかっている・・・  『水虫罹患率24.7%』

 驚くなかれ、日本人の約2800万人は水虫である。日本臨床皮膚科医会が大規模な水虫調査を実施、3万4730人に同意を得てフットチェックを行った結果、何らかの水虫が認められた人が8589人いた。

 その内容は足の水虫(足白癬)が5115人、爪の水虫(爪白癬)が1068人、併発が2406人だった。つまり、これを大ざっぱに罹患率に直すと、4人に1人(24.7%)となる。国民全体で単純に計算すると約2800万人が水虫ということになる。

 年齢別にみると足の水虫は30代から70代に多く、男性は50代がピーク、女性は60代がピーク。70代になると足の水虫、爪の水虫が併発するケースが多くなるという。

 基本的にこの水虫はカビの一種(白癬菌)によって生じるわけであるが、なんと土や犬、猫、牛などにも寄生している。日本人が靴を履くようになって通気性が悪くなったことや、靴下の材質によっては撥汗性が低かったり、雑菌が増えたりということが見受けられるようで、今後とも足の皮膚疾患の患者は減る傾向にない。特に梅雨時から夏にかけてがもっとも危険だ。プールやはやりのエステティックサロンなども絶好の感染経路となる。
従って、まめに足を洗い、感染に気がついたらすぐに外用薬を塗布することが必要だ。

しかし、かゆみや湿疹が出るまでに一定の潜伏期間があるのがクセもの。その潜伏期間中に他の指に感染していたり、左右の足に感染したり、家族に感染させていたりするのが、この病の恐ろしさである。
放置して黄色ブドウ球菌に感染するとリンパ管炎を起こす場合もあり、足が腫れて歩行も困難になるという。
糖尿病を患っていたりすると足を切断する例もあるというから侮れない。

 これほど水虫患者が多いとなると、日本の会社も労働者の疾患対策として、職場でのサンダル履きを励行するなど、真剣に対策に取り組むべきときではないだろうか。


2008年8月5日号

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