DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2014.12.12

浜離宮の運河

 浜離宮の運河の片隅の腐りかけた木製のベンチに座っている。
 日本にまだ少しはエネルギーが残っている頃、1985年あたりのクリスマスにこのあたりを訪れたことがある。
 あの頃は、“ウォーターフロント”ブームというのがあって、シャレた飲み屋やブティック、さらには今でいうIT企業の走りのような会社が東京湾の芝浦辺りを中心に、続々と移りはじめていた。

 来年2015年で、言って見れば“ウォーターフロント”ブーム30周年を迎える。すべての人が携帯電話を持ち、東京湾に大きな橋が4つもかかり、ゆりかもめが離れ島を結び、霞ヶ関と新宿と池袋にしかなかった高層ビルが、都内だけでものべ200本近く建った。

 諸行無常である。
 今あるものは、確実に無くなる。海ですら無くなるのであるから、街やそこに住む人々が今のままであるはずがないし・・・・。