DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2010.09.20

第45号 月刊「美楽」10月号

「つまみ食い」
 
 ほんの少しお腹がすいて、誰にも見られずに、誰かに知られずに、忍ぶように、“つまみ食い”。
 丸めた親指と中指が、震えている。
 母さんの“干し柿”を、口のなかに放り込むとお腹は、まだまだ空いているけれど、なんだか、気持ちは満腹になった。

 いたずらは、小さな、小さな冒険。冒険は愉快。

 今日、陰険陰湿ないたずらが横溢してるが、人間を“つまみ食い”する子供たちに、決して、“心の満腹感”は訪れない。