DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2000.08.15

Gは夏期休暇につき、静か。東京も、日比谷通りも、第一京浜も車が普段の20%。

Gは夏期休暇につき、静か。東京も、日比谷通りも、第一京浜も車が普段の20%。

 妊婦を見ると、気が重たくなるのはいつの頃からだろう。東京プリンスの玄関に向かう広い駐車場の出口から30歳半ばの夫婦が見える。白いYシャツに汗をかいた旦那らしき人がしきりに荷持をもってホテルのなかに入っていった。そう言えば、ずうっと昔からこの妊婦の丸い腹には、期待感と不安感が交錯して何か戸惑いつつ
嫌悪感をもっていたような気がする。この年になって、未だに、女と暮らし、家庭を持ち、子供を育てるのは納得がいかない。一人前の男になっていないのかもしれない。それとも"DNAは記憶するか?"じゃないが、鹿児島の男の我が侭のか?

 気がつくと、昼間の暑さをたっぷりと含んだ夏の夜空に月が懸かっている。その下に、中途半端に刷毛で触ったような雲が白く浮かんでいる。そう言えば、20歳の頃から、女性に対して同じような恐怖感で接しているような気がする。このまま子供のままで、"この未知なる生物"を探しつづけるのだろうか?そしてこれも"一つの旅"なのだろうか?