DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2014.10.30

肝付高夫氏のこと

 肝付高夫氏が亡くなられた。

 彼は、私にとっていくつかの役割を演じてくれた。幼い頃は、茫洋とした島風のようで、どこか桜島のようでもあった。
 少年の日々は、権威であり、法律であり、もの言わぬ辞書であった。
 
 その後、飛び越えなければならない川となり、川を渡ったあとは無二の友であった。その晩年は、博識の弟のような存在であり、また無数の枯れ葉をまとった銀杏の大木でもあった。
 
 私は未だに父という言葉の意味が分からずにいる。

 
 2014年10月30日 午前1時35分