DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2013.10.21

第34号 月刊「美楽」2013-11月号

『イチロー』

 鈴木一朗選手をカタカナ三文字でイチローと名付けたのは、(故)仰木監督であるが、今日のイチローのステイタスを予測できた人は、イチロー自身しかいなかったのであろうか。
 以前、彼をシンボルにした携帯電話をプロデュースしたことがあるが、そのときにはまだ大リーグで首位打者をとり、世界で一番の安打製造機としてまだ先の見えない頃でもあった。
 日本人の持つ忍耐力と緻密さと持続力と自分に対する誠実さは、今やその逆をいくアメリカ人の精神的支柱にもなりはじめている。加えて、彼ほど、美しく、高齢化していくスポーツ選手は見当たらない。