DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2013.03.20

第11号 月刊「美楽」2013-4月号

「入学式の朝」

 ちょっとした好奇心と胸騒ぎ、それから何となく不安をかき消すように、新品のランドセルに無頓着に入れこんだ。
牡丹雪のような桜の花弁が家の中に舞い込んで、畳の上で滲んでいる。
 
 あの頃も、そして今でも人生は粉雪のようだと感じている。人は、天に生まれて、地にしみ込んでいくもの。