DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2011.12.11

第40号 回帰月食

 皆既月食と言う文字より、回帰月食という感じの方が、すっきり来る気がしませんか?

 今朝の新聞に、月の地球の関係図(天体図)が、書いてあり、この種の天体ショーは、彗星の接近やら、日食やら、必ず何処かで見ることにしているので、今夜も楽しみにしていた。

 会社で、広告主と新聞の広告を製作中だったが、23時過ぎに車を跳ばして、東京湾のほとりにある公園に、繰り出した。

 時間を掛けてゆっくり、重なり合う月の影は、セクシーで、濃い橙色に、発色している。往く宛ても無く愛し合う、不安一杯の恋人たちの遥にも見える。それとも、強引に、価値観を失わされていく無力な日本(わが国)だろうか?

 ふと考えてみたら、東京で、”闇”を探すのは、一苦労する。どんな場所に行っても、犯罪防止の街燈やら、道路灯があり、24時間明るい町なのだ。しかし、”心の闇”を持つ人は増えているように思える。一人ひとりの心の闇の、表面積が、日に日に増大している。

 日本の空を舞台にした、回帰日食は、何も無かったように、午前2時に、
幕を下ろした。町は、眠れずに、朝を待っている。