DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2010.10.07

第47号 鹿児島錦江湾のうどん

 薩摩の麺は、何でも来い!である。ラーメンは、店数が少ないだけで博多よりも絶対に美味いし、垂水の「十五郎そば」はその麺の太さ(3ミリ程度)と舌感に僕の虫歯さえおとなしくなる。軽く柚子の皮を振りかければ更科のつゆ汁など申し訳ないが”美味いうちに入らない”。

 先祖の墓があまりに汚れていたので、墓石の中まで掃除していたら、「垂水十五郎そば」に立ち寄る時間が無くなっていた。飛行機の中からすっと楽しみにしていたのだが、残念。

 しかし、桜島垂水から鹿児島に向かうフェリーの”船上ですする”うどんがある。錦江湾のうどんである。桜島をまじかに見ながら食べるうどんである。
普通、駅の構内や、空港で食べる麺類は、美味しいはずがない(羽田空港のちばきやは別格にうまいが・・・・)何故って、水がまずい場所で、美味しい料理は作れない。
しかしこの船のうどんを、デッキに持ち出して食べること10分は、別天地。決して、名物のさつま揚げも大きくない。卵も茹でてはあるが並。カマポコは、薄い。葱もパラパラ。しかしうまい。そうです・・・・・露(汁)が絶品なのである。薄味の醤油と、みりん、勝負の鰹節に、ほんの少しの錦江湾の若布、そこに日本を代表する名水垂水の水。


 ”歯の痛みも忘れて”僕は、丼の底まで、”舌で舐める”

*ちなみに、蕎麦の場合は、トッピングはオンリー葱だけが、よろしい