DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2009.11.18

第39号 月刊「美楽」12月号

『風化』
 枯れた薄が視野の限りに拡がって、まるで海をベージュ色に染めたみたい。
 こんな日にも、やわらかい日差しを含んだ南からの風がサワサワサワと流れている。“ススキの海”はやがて満ち潮に変わり、僕たちはその中に潜りこんで、かくれんぼをしていた。

 子どもたちが季節を感じることは、時の流れを学ぶことであり、“秋の海”は良い教材になっていた。