DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2009.01.31

第5回 江副さんとソウル危機の晩飯と南大門の空虚

 江副さんと、ソウル取材。サブプライム・ショックの最も影響を受け、為替は壊れ、輸出は留まり、求人市場は白旗状態、韓国人独特の”底辺のエネルギー”を創成するはずの庶民も、外食を減らしている。

 朝、人手の多いはずの南大門を散歩した。薬屋にも、食料品店にも、おもちゃ屋にも、靴屋にも、革の衣料品店にも客がいない。

「冷えますね」
「この街の経済は、立ち直るのも、早いからね」
「甘いものでも、摘まみましょうか」
「どんな時でも、食べ物は強いね」

 50年前(半世紀)に、学生事業家として、人材産業の種を植え、日本一の求人会社を作り上げた人の眼にも、ウォン・ソウルは、国家経済の破綻が明らかのようで、しばらくは回復の兆しが掴めないのと読んだ。