DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2008.06.18

第25号 月刊「美楽」創刊一年号(7月号)

『山ゆり』

 月刊『美楽』は、創刊して1年目を迎えました。その間に、六十数名の執筆者の方々や、五十社近い広告主の皆様、さらには数千箇所で読者に本を届けていただいている関係者の皆様。考えて見れば、本の存在以上に、こうした方々との“やりとり”が、私にとっては大切なものとなりました。
 7月号から、表紙に安藤勇寿さんをお迎えしました。この絵のタイトルは、「山ゆり」。日本列島で春から秋にかけて見られる山ゆりは、昔から登山家たちの間で疲労した体を、ふっと癒す“天然の水”とも言われてきました。その白い花に触れた瞬間、山人たちの気分は登り始めたる“最初の一歩”を思い出すとも言われます。

 安藤勇寿さんの絵には、私たちが元気になるための“最初の一歩”となる栄養素が含まれているように感じます。それは、まだ間に合う「本当の豊かさ」という名前の日本の原点なのかもしれません。