DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2008.02.06

第10号 長野県上田市の蕎麦屋「草笛」

 昨年からVSNの加藤役員に誘われていたのだが、年を越して長野県上田市の県立長野病院を取材で訪れた。上田市は、反骨と人情の真田幸村の町でもあり、四方を山に囲まれ、浅間山の西北に位置する盆地に、ぽっかり静かに佇む城下町でもある。

 マイカーが普及した影響で残念ながら郊外のショッピングセンターやレストランに出掛ける人が増えて、由緒正しい歴史の町の商店街は所謂シャッター通りと言われる閉店休業が何店か目立つ。

 県会議員の島田基正先生に案内されて、長野病院の取材を終えた後、信州国際音楽村に向かう途中、県内は無論、全国的にも有名な蕎麦屋「草笛」にお邪魔した。

 私はいつも初めての蕎麦屋に顔を出すと、ざるそばを注文することにしている。「草笛」の蕎麦は、蕎麦粉7対3のねっとり歯ごたえがあり、量も多い。
「温暖化の影響で、蜜蜂が北上していることもあって、蕎麦畑も新しく増園しているんですよ」
と、島田先生が大盛りの天麩羅蕎麦を食べながら教えてくれた。

 短髪でエネルギッシュで、がっしりとした体型の島田基正先生は、太い指で箸を動かしながら、上田の歴史を講演?してくれた。
 本当に知識の宝庫で蕎麦からITまで解りやすく語れる人物で、県会議員にしておくにはもったいないほど・・・・信州大学で教鞭をとったらいいのに!


 加藤さんと島田さんの開け放した話を聞いていると、”故郷を持っている人は、何処か安心なんだなぁ”・・・・・・・

 故郷とは、そこにある山や川やじゃり道や昔からあった病院や商店や学校だけでなく、すべてを知り合った仲の友人との会話を言うのではなかろうか。