DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2008.01.21

第6号 沢田研二コンサートin C.C.Lemonホール

 沢田研二さんのコンサートに招待されて、土、日曜にC.C.Lemonホール(旧渋谷公会堂)へ足を運んだ。
 
 人間は懐かしい音楽を聴くと、その音楽を聴いたときに目にした光景や、一緒に聴いた仲間やそのときの思いや、時によっては食べた食事のメニューまで思い出す。

 沢田研二さんの喉は、超人級で60歳とは思えない逞しさで、あの頃のままに私の耳に飛び込んできた。

 隣の席のローソンの新浪剛史社長も、「ずいぶん高い声が出ますね。それに喉がかれてないし」と、その美声に驚いていた。さらに驚かされたのは、二千人強のコンサートホールがほぼ全員女性。しかも、40歳後半の女性たちがまるでジャニーズのコンサートのように、ステージ上の沢田研二さんに合わせて身振り手振りをしながら、腰を揺らしていたことだ。
 さらにさらに驚かされたのは、沢田研二さんの記憶力である。普通シンガーは、ステージ上に”虎の巻き”のような歌詞が流れるモニター画面を置いて、チョロチョロ歌詞を確認しながら歌う。
 しかし沢田さんはビートルズからローリング・ストーンズ、ビージーズの英語の歌詞から、アンコールで歌った「LOVE(抱きしめたい)」まで完全に暗記していた。一字一句間違いなく。
 やはり、昔の歌手は鍛えられ方が違う。レコーディングの方法も違う。お客様に対するマナーも違う。そしてライブに対する心の持ち方が、真面目なのだ。


 冬の闇が近づいてくる夕方の渋谷を散歩した。さっきコンサート会場にいた妙齢の女性たちのちょうど子供たちの世代が、それぞれ思い思いのスタイルで道玄坂のあたりを闊歩している。一見みると、自由で何一つ不足なく、楽しそうに見えるのだが・・・・・・生きるカルシウムは大丈夫だろうか。
 
 40年後も彼らは元気でいられるのだろうか。今日の沢田研二さんのように。