DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2007.12.12

第18号 さよなら、ベンツV320(緑色)

 9万キロも走った車を、ついに手放すことになった。
こんな原油高の時代に3台も車を所有するのは、大げさだが地球人として不謹慎だし、最近では車をどこに置いたかも思い出すのもめんどくさくなった。

 ディーラーの人が、車を取りに来て、極めて簡単に売買契約書をかわし、車検証をチェックすると、
「これで終了です。車を持ち帰ります。」・・・・・・
と言われ、急にこの車にまつわる数々の思い出が、”涙とともに胸いっぱい!”に込み上げた。

 古い靴を捨てたり、携帯電話を新しい形に変えたり、使い慣らしたダイアリーを机の奥深くにしまったりするのと違い、長い間愛用した車を手放すのは心が痛むものである。それはきっと、車にまつわる思い出や、過ごした時間、窓越しに見た風景、聴きなれたカーCD、また車のトラブルなどの思い出がいくつも折り重なっているから、というだけでなく、きっといつの間にか僕の手足の延長線上に、つまり肉体の一部になっているからに他ならない。