DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2006.12.02

第43号「K-1 WORLD GP2006 決勝戦 in 東京ドーム」

 毎年、年の暮れになるとウインター・スポーツでもないのに格闘技がスポーツ・マスコミの主流になる。いつからこんなに格闘技がブームになったのか定かではないが、それは20世紀の後半、1997年辺りからであろう。

 一方、K-1(キックボクシング)やPRIDE(総合格闘技)などいわゆる本格的な格闘技に主役の座を奪われ衰退していったのがプロレスだろう。

 私が小学生のころは力道山率いるプロレスリングが、カラーテレビの普及と共に圧倒的な人気を誇り、やがてそれがアントニオ猪木さんやジャイアント馬場さんを輩出し、今日の格闘技ブームの礎を作った。
こうした、いわゆるコンテンツが社会に受け入れられる前提になるのがメディアの発達である。エルビス・プレスリーを支えたのはラジオであり、蓄音機であり、普及し始めて間もないテレビである。ビートルズの世界的なヒット曲の向こう側にもLPレコードやステレオと共に、人工衛星による映像配信があった。

 東京ドームのアリーナは、写真撮影禁止というのは名ばかりで、携帯電話のカメラを使ってリングで戦う選手を撮影している若者が多数見られた。ここ数年でパーソナルなメディアとして突然普及した携帯電話やパソコンは、巨大な百科事典として作用し、又、形を変えたコミュニケーションツールとしても定着した。
しかしながらこれらのITメディアが新しいコンテンツを生み出し始める、という気配は今のところない。