DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2006.02.03

第5号「沖縄から鹿児島に満席の小舟が飛んだ」

照屋林賢さんに新年の挨拶を・・・・と言うことで、ゴルフも兼ねて1ヶ月ぶりに沖縄。

この島を訪れると、いつも必ずもう一つの”島”に申し訳ない気持になる。“薩摩”。
羽田を離陸して丁度1時間を過ぎたあたりに、飛行機は鹿児島の上空にさしかかる。
12000フィートの空の上から、実家の屋根が見えるはずも無いのだが、一応窓の下を覗いてみる。
一面の分厚い雲の下に、青みがかった海が僅かに見え隠れする。
「(今回も、通り過ぎちゃったなぁ・・・・・みんな元気だろうか?)」
そんな自己嫌悪に近い感情が嫌で、バタバタするのは承知でスケジュール帳をジグザグに駆使した。ゴルフ終了後バッグを宅配便に任せ、風呂も浴びずに、タクシーに飛び乗り、夕方の便で鹿児島空港に。

那覇の35番ゲートのガラス窓の向こうに、小舟のような飛行機が見える。・・・・・嫌な感じ・・・・。
桜島のあたりで揺れそうだなぁ。でも僅か1時間のフライトだから・・・・・。

飛行機に乗り込む寸前に、濃い紫色の花びらをつけた「デンファレ」が咲いていた。
この花は蘭の一種で、儀式に登場する名花である。沖縄では結婚式や祝いの席で良く見かける。

同じ南の方角であっても沖縄と鹿児島の温度差はゆうに10度。今晩の鹿児島は真冬の寒さらしい。
大した用も無く、故郷を訪ねるのも、今の僕には大切な儀式になっている。