COLUMN:日刊ゲンダイ「数字のホンネ」

 

2007.09.11

日刊ゲンダイ「数字のホンネ」第32号 高齢化社会に最適のペットは? 『ガラパゴスゾウガメの寿命175年』

スポーツベントから音楽イベントまでプロデュースしているのだが、もっとも切なくつらいイベントは葬式である。
特に独り身の高齢者のペットの葬式などはいたたまれない。

 どうせペットを飼うのであれば、やはり寿命の長いペットの方が悲しい涙を流さなくてすむ。手間がかからず、かつコミュニケーションが取れれば、高齢化社会にとって最適なペットといえるのではあるまいか。

 寿命だけで言えばガラパゴスゾウガメがナンバーワンだ。彼らの平均寿命は175年。どんなに長生きをしても彼らに先立たれる可能性はない。ただし、ワシントン条約保護対象動物なので個人の飼育はできない。

 オススメなのが、意外や意外、フクロウである。フクロウの平均寿命は70年。夜行性のあなたにはピッタリである。ブームにもなったチンパンジーは50年。コミュニケーションも取れるし、オススメのペット。家庭のペットとしてはほぼ不可能であるが、ゾウなどは100年は堅い。

 手っ取り早く子供の愛玩動物としてハツカネズミやハムスターなどを購入される方も多いが、彼らの寿命はせいぜい2年から3年がいいところで、今年のように異常気象で高温が続くと、その寿命もおぼつかないものになる。

 さて、動物の寿命には2つの考え方があり、ひとつは動物園やペットなど、飼育管理される動物群で、この場合の寿命は「生理的寿命」と呼ばれ、ある意味、生命をコントロールされた寿命のことをいう。かたや野生動物など、子育て等の生物的な役割を果たして一生を終えるのを「生態的寿命」という。

 生態的寿命は生理的寿命に対して、平均的に半分ほどの長さしかないといわれている。つまり、われわれ人間も本来は50歳前後が生態的寿命のはずであるが、社会的なさまざまな仕組みで保障されているがゆえに人生80年時代を迎えているのかも知れない。

 最後に、ペットを購入する際には、現在の年齢を確認してから購入することをオススメしたい。残る寿命を知っておかないと、結局はペットに先立たれ悲しい涙を流すハメになる。


2007年9月11日号