DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2014.09.27

江副さんの記念碑

 江副さんの記念碑は、安比高原の入り口に建てられた。
 台風と台風の随に、秋晴れを感じさせる午後に、除幕式が行われた。まだ東北新幹線も走っていない頃に、この地に研修センターを兼ねたホテルとゴルフ場とスキー場を計画した。そのスケール感は、一体なんだったんだろうと、考えている。

 


 安比には、まだまだ無数の自然が息づいている。
 ゴルフ場にあるせせらぎには、山椒魚がいる。幻の魚といわれている岩魚も、数多く見かける。高原ではあるが、夏になるとカブトムシやクワガタが肩に止まったりもする。


 記念碑の向こうに、雲一つない夕焼けが空の色を赤く塗り替えている。黒い無数の点が、不意に記念碑を通り過ぎた。赤とんぼの群れである。そのうちの一匹が、記念碑の上に止まって、僕と目と目があった。
 ひょっとして・・・・・・・・・・
 
 今でも、明け方に携帯電話がなると、
「安比にいきませんか」
 と、誘われる夢を見る。