DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2013.09.20

第32号 月刊「美楽」2013年10月号

『宮崎駿』 

 宮崎先生とは、もう十数年前にトトロの試写会でお目にかかったことがある。
 僕は、作品や主役を差し置いて、自分を露出したがる監督やプロデューサーがみっともないと思っている。試写会の会場の片隅に、そっと座り、心なしか目を潤ませていたのは、観客の1人として、鑑賞していたのではないかと感じた。
 
 すべての芸術作品は、完成した瞬間から作り手の手を離れ、作り手とは別の生命体として動き始める。