DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2012.09.21

第34号 月刊「美楽」2012-10月号 

『秋の実』
 行きつけの小料理屋のテーブルにすすきが1本置いてあった。こんな時期にどこからすすきが舞い込んだのかと聞いたら、「先日、富士山の麓のうどん屋から頂戴した」とのこと。
 都会では、すすきも見られないし、赤とんぼも飛ばなくなった。季節もなくなり、自然も軽薄になり、人は体温すら原子力で管理されている。

 誰も泣かないし、誰も笑わない。