DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2012.06.05

第22号 アイ・ジョージさんの「夜霧のジョーニー」を聴こう

 アイ・ジョージさんに久しぶりにお目にかかった。
 数年前に何度かミーティングをしたときは、世界の子供たちを救うためのチャリティーソングを企画されていた。その企画は、莫大な予算と共にスティービー・ワンダーを始めとするビッグアーティストが多数登場するために、かなりの時間がかかり、現在もその企画は続行中とのこと。

 
 昭和20年代の後半にラジオとテレビがメディアとして普及し始めた頃の歌手は、現在の歌手と違い、歌もうまかったし、声も良かった。
 レコーディング段階で当然デジタルやコンピューターなどは存在していなかっただけに、音感もリズム感もしっかりした歌手でなければレコード会社のほうも評価しなかったのであろう。
 そんな本物の歌手しか存在しなかった時代に、中でもアイ・ジョージさんは群を抜いて声も良かったし、歌唱技術も素晴しかった。
 「最近になって、以前よりまして喉の調子がいいんですよ」
 と言いながら、録音したばかりのデモCDを、聴かせてくれた。
 確かに、以前より喉の奥が開き、鼻から吸う息もリズミカルだし、何よりあの頃の低音にさらに磨きがかかっている。
 こういう本物の歌手を評価する国でなけでば、日本の文化も評価されない。

 アイ・ジョージさん。79歳。世界で通用する日本の歌手として、一層元気である。