DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2012.05.04

第19号 霞ヶ関の冷や汗

 東京電力の本社から程近い霞ヶ関の信号の角に、東京電力の”すべての行為”を否定する幾つかのグループが陣取っている。

 借り物の運動会のテントのようでもあるが、幾重かに立てかけられた手書きの看板が、原子力に反動する彼らのイデオロギーの本性をにわかに醸し出している。
 霞が関には20を越える我が国の行政が集中しているようで散乱して、ビルを乱立させている。

 やがて、暑い夏がくると、このテントの中の運動員は、より誇らしく、より逞しく、よりたよやかに、電気のない暑さと戦うことになる。
 無関心を装った霞ヶ関の無能な、しかも機械化したロボットたちは、このテントの前を冷や汗をかきながら通ることになる。

 友人Aが、福島の原子力発電所で作業をしている。
 東電職員は「お疲れ様」の挨拶もしないと、嘆いていた。