DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2011.05.21

第15号 上海雑感

 上海・外灘エリアには、中国全土から観光客がやってくる。川の向こうには、共産主義的資本主義の象徴とも思われる浦東の高層ビル。足元には占領下に建造された、由緒正しい建造物。それぞれの建物の上には、中国の国旗が、誇らしくなびいている。国家経済が猛然と伸びていく際に、起りうる矛盾も、エンターテインメントとして観光化する。
 日本で言うと東京の隅田川?京都の鴨川・・・・雰囲気的には大阪の淀川だろうか?

 今日一日を、懸命に生きるエネルギーは、懸命に食べて寝てを繰り返しながら、時として冷たい炎のように、未来を焼き尽くし、享楽の時間しか、残さない。それを、平然と受け入れる中国は、やはり未知の国。

月刊美楽を、この町のニホンジンに、届けたいと思う。この国の瞬間的な爆発力に負けないように、この国の、巨大な空域を持った精神に取り込まれないように。