DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2010.07.02

第30号 長友先生の微笑み

 長友先生の微笑みは、30年前から変わらない。ホガラカデ、オオラカデ、チカラズヨク、何処かカナシゲデ、しかし、ラクテンテキデ、マエムキデ、タッカンテキデ、ウキヨバナレしている様で、ゲンジツテキデ、まさに創造力のある人は、強いといつも感じる。

「いやぁあああ、喉の調子が、少し良くなってきましたわ」
「ゴルフも、ボチボチですぇええ」
「れいのタバコ、どうでっか?」

僕は、久し振りに、耳を傾けていた。先生の言葉ではなく、先生の微笑を聞いていた。

先生には、拙著の「創造的商人」のイラストを書いていただいたり、最近発売した”禁煙用タバコ”のデザインをお願いしたり、様々にお世話になっている。
 昔勤めていた会社の真裏に「茉莉花(まりはな)」という文壇バー(というか経済人も文化人も集まるたまり場)」があった。切れ味の鋭い、毒舌で面倒見の良いオーナーがいて、そこで先生と初めてお目にかかった。
 その頃先生は既に、売れっ子デザイナーで、名の売れた化粧品や、有名作家のイラストを手がけ・・・・やがて現在のK2を設立される。

 「東さんは、いつもお元気ですな・・・」
 「・・・・・(最近そうでもない)・・・(梅雨の時期は)・・・?」
 
そう言われて、ふと気が付いた。

 忙しくて、目の前の日常に追われ、創造力が乏しくなると、気持ちが前に行かなくなる。プラスのイメージとは、楽しい気分を作るための想像力である。楽しい気分でいられるには、”自分の世界”に入り込み、好きなことを考えるのが一番。
そのためには、ムツットしてもいられない。となると誰にも、何にでも、進入されない”微笑の壁”が必要。

 長友先生は、今日も創造力の荒野で、微笑んでいる。