DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2009.12.20

第45号 月刊「美楽」1月号

『南天』

 四季の中で、唯一原色が似合わないのは冬である。カラー写真をポケットに入れて、風景を見つけ出そうとしても、中々白以外は見当たらない。
 毎年のように、シャッターを切ってしまうのは、恥ずかしそうに、惜しげもなく、赤い実をまとった南天だ。

 アメリカナイズされた日本人は、最近、感じる気持ちを表現するのは苦手でも、自己主張だけは明確に言葉にする。
 日本も感性不在の寒い冬が続いている。