DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2009.08.19

第30号 サントリーホール・デヴィーアとフィリアノーティ

 サントリーホールでラボーチェ主催のコンサート。デヴィーアは、現代最高のベルカント・ソプラノ。美しい舞台姿と、完全主義の歌唱表現はまさに芸術そのもの。一方、ジュゼッペ・フィリアノーティは、世界のテノールを支えるであろう逸材。この滅多にない組み合わせは、サントリーホールの満場の観客を、魅了し、たっぷりと酔わせた。

 1996年に国立競技場で3大テノールをプロデユースしたのが、昨日のように鮮明に、思い起こされる。サッカーのワールドカップの決勝の前夜祭が日本と同じセットになると聞いて、急遽ロスに飛んだ。JTBやJCBなどのクライアントを引き連れて、会場入りした瞬間、そこはイタリアであった。アメリカ人ではなくではなく、数万人のオペラファンのパーティが開催されていた。まだまだ日本は、オペラには馴染みが無いし、ましてや、この雰囲気は作れない。コンサートの大半は、聞き手である観衆が作り出すものだから。

・・・・あれから十数年、わが国のオペラファンは、その数を増し、今では立派なジャンルを確立した。

 ベッリーニの歌劇「ノルマ」に、こんな言葉が残されている
「ただ待つだけの人生、だから心が綻ぶのよ。今を信じることが、人生よ。そうすれば、悩んでる暇なんて、見つからないのだから」