DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2008.01.20

第5号 月刊『美楽』2月号発売

『萌土』

 新年早々、私たち庶民には嫌な話だが、我が国の経済は強烈なインフレーションに襲われるであろう。原油、レアメタル(稀少金属)などの天然資源、さらには小麦やとうもろこしなどの穀物類の価格の上昇傾向に歯止めがかからない。中国やインドなど二桁の億を超す大量人口保有国はまだ、工業化の初期段階にすぎず、まるで日本の昭和30年代の様相。従って、これからそれらの国の人々の可処分所得は急増し需要が上がる。こうしてますます資源の枯渇はおろか、やがて地球には食料危機が訪れる。

 日本は今“冬”の扉を開けたところである。この国が、再び春を迎えるとするならば、賑々しい金満的物質主義の“春”ではなく、もっと日本人の心に根ざしたほのかな季節を創りあげることである。
 滋養に富んだ『萌土』を育むためには、まず物質的な豊かさを放棄するところに陽光の訪れがある。それはみんな百も承知しているのだが・・・・・。