DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2006.10.29

第41号「神田古本探し!」

 「神田の古本祭り」は、「青空古本掘り出し市」の総称である。神田の明大通りのある駿河台から神保町をぬけて、専大通りのある神保町3丁目まで、100万冊以上の古本が、年に一回この時期に一斉に開花する。
昨年は藤村操の『煩悶記』が登場して愛読家の話題になった。
 
 この辺りの古本屋エリアは量も質も歴史も、多分店員さんの記憶力も世界一であろうが、神田古書店名簿によると157件の店が営業中であるといわれる。文学、古典、歴史、思想宗教、外国書、社会科学、自然科学、美術版画、趣味芸術からアダルト、などのジャンルに分かれた古書店が、ほとんど工夫もなく、個性もなく、ユニークでもなく、無差別に、ただやたらと、めちゃくちゃな量の本を、床から天井まで、うず高く積んで、並べている。
但し、ご主人に著者と署名を言うだけで、ものの30秒で“探し物”は発見される。

 この祭りの間は、普段閑散としている「さぼうる」、「ミロンガ」、「フォリオ」などの歴史的な喫茶店はもちろん満員。
スタバや、タリーズの前で、買ったばかりの本をひろげる人が、道を塞いでいる。

 大正から第二次世界大戦前にかけてちょっとした中華街だったというだけあって中華も“いい味の店が多い”。当時、中国大陸から多くの留学生が来日しており、そのためか本場顔負けの中華料理が数多く、それぞれが店主の好みで味を作っているため微妙に個性的。

孫文も腹をへらしてウロウロしていたのだろうか?

ラーメン屋に至っては、数えるのが大変で日本有数の激戦区である。

「1円でも余計に本代に当てたいと思う人たちのために、この町のプライドは輝いている」


 さて、私はたくさんのお金は要らない。しかし、音楽を聴くお金と、映画を観るお金と、そして本を買うお金がなくなったとしたら、いつ死んでもいいと思っている。

何年か先に、“表に向きすぎるている感情が、ゆっくりと乾き”落ち着いてきたら、この神田に移り住んでくるのも、いいアイデアかなぁ・・・・