DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2005.04.09

第4号「朝靄の桜島」

心が騒がしい毎日を繰り返していると、不意に先祖の墓参りに行きたくなる。
この日は、早起きをして、午前6時過ぎの垂水行きの船に乗った。
デッキで深呼吸をすると、体中の毛細血管が、何百年も前からの風に癒されてくる。
穏やかな湖のような錦港湾はまだ布団の中。
その時、誰かの声が聞こえたような気がした。
何十人の東家のOBたちが、桜島の麓から手を振っている。
「また帰ってきましたよ」と、僕は“逢いコンタクト”。