DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2002.08.06

8月6日(火)窓から入り込んだ明け方の鋭い太陽光

窓から入り込んだ明け方の鋭い太陽光が無数の粒になって額の上に、じわじわと紫外線を吹きかけている。全身が汗をかき、自分自身の湿度にうなされて目が覚めるなんて何年ぶりだろう。まるで、赤道直下を走るハイウェイの上で夜を明かしたボイルド・サーモンだ。午前6時、生暖かい風の中を散歩、最近見つけた三田通りのパン屋さんのシャッターもまだ閉じている。福田警視総監(1985年退官)、ラリスの松岡さんとNHKから依頼のあった西本願寺1200年の企画の話をしながら、冷やし中華を食べている。このテーマには、饂飩か刺身定食の方が雰囲気なのに。刺身は常温状態の旬で食うと決め付けているのだが、この湿度ではおいしく感じられない。よって体の表面から内臓まで徹底的に冷やすのならやはり冷やし中華だ。
朝着たYシャツがもう一汗もふた汗もかいてくしゃくしゃだ。いつも持ち歩いているバリーのカバンは検討中の企画書で20キロほどの重さになっている。持ち物すべてが汗と倦怠と暑さによる過労を吸い込んでしまっている。今年手がけている仕事は、初めての人との未知の物が多い。仕掛けが大きく、判断してから仕事に取り掛かるまで時間のかかる仕事が多い。しかし、自主制作が少ない。僕はいつから想像力をなくしてしまったんだろう・・・ふとそう考える。音楽でいうと、カラオケの伴奏のような味の無い仕事、右から左へ素通りするような仕事はなるべくお断りするようにしよう。骨と肉のついた結果を生むために。