DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2002.07.18

7月18日(木)久しぶりにあの中島八臣氏(※月影写真館3p)と面会。

10年振りに遇ったというより突然目の前に現れた。太陽の様な性格、陽に焼けた頭、べらんめぇ調のトーク、大胆な笑顔、そしてちょっとした隙に見せるナイーブさ、何処から見てもあの「八臣さん(はっしん)さん」の登場だ。リクルートの宣伝部時代に大変お世話になった中島さんは待ったなしの勝負師だ。ぎりぎりのアウトローで勝負する。得意なフレーズは「ぶっちゃけた話し・・・・」。大丈夫かなぁというような大きな企画を底抜けのユーモラスな話法で紹介する。  
当時「稲村ジェーン」という映画を初監督した桑田啓佑(サザンオールスターズ)氏のCM登用もそうだった。寝技でスーパースターとの契約を実現させた。また、スケールのデカイ仕事ができそうだ。
遅いディナーでご迷惑をおかけしたが山縣かほりさん(*月影写真館)のご自宅にお邪魔して豪華な手創り料理を頂いた。豚の角煮、餃子、鮎の塩焼き、豆腐、もずく、それに彼女の18番のカレーライス、デザートに白玉あずき・・・・・。多分日本中で一番贅沢な食卓なんじゃないかな。病み上がりのバージン・シネマの高橋君、発熱39度の野中君と病人を2人も連れて行ったのが申し訳なかった。山縣さんは浜崎あゆみさんのステージ衣装をデザインしている。特に竜をモチーフにした帯に見られるように、抜群のセンスでぎりぎりのクリエイティブと1ミリも狂わない完全主義で傑出した作品を創造する。僕も、地球でたった1枚の「夕焼け少年」を素材にした浴衣をお願いしている。減量中にもかかわらず目一杯胃袋を膨らませた。車から後ろを振り向くとかほりさんが、腰を折って見送っている。薄っぺらな雑誌広告ようなイージーな女性が増えていく中でこれほど礼節を感じる女性がいるだろうか?街全体が大正時代に戻ったような不思議な空気に包まれているように感じた。
マッサージをしながら、まだ昼間の熱が漂っている東京プリンスの駐車場をボーっと眺めている。肩や、首や、喉の奥が熱風の通り過ぎた後の砂漠のように汗と疲れが交じり合ってねっとりとした湿度を含んでいる。部屋を暗くして冷蔵庫から冷えた水のカンを出して後頭部に当てた。窓枠に仕切られた空の景色が早くも朝の気配に変わり、今日もまた異常なほどの高温が街を包みそうだ。