DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2002.05.15

5月15日(水)UA881便の機内の丸い窓の向こうに夕焼けの朱が溶け出したように雲の海が拡がっている。

まるで大陸がその下にあるとは思えないほどの量感、悲しくなるほど切ない朱色だ。ソウルの仁川空港が近づくにつれて、何だかセンチメンタルな気分になるのは、多分韓国を何回か訪れて、この国の人や文化を知れば知るほど自分の薄学が身に抓まされて来るからに違いない。
2階席のキムさんに挨拶をし、チョー社長の車に乗り込んだ。さっきの夕焼けの下はおそらく何重もの厚い雨雲だったのだろうか。ソウルでは初めて経験する土砂降りの雨。その為、空港から市内までいつもの倍の時間を要した。チョー社長は僕に気を使って桑田啓佑の「ホワイトラブ」をかけてくれている。睡眠不足のせいか車のエンジン音と雨音とがサザン・サウンドに上手くミックスして僕は、「ゼックス東京」から見下ろす東京の夜景の夢を見ていた。