DIARY:夕焼け少年漂流記

 

2001.08.03

『一の宮さんは、相変わらず素敵ですよ。特に今でも長靴でお見えになります。』

『一の宮さんは、相変わらず素敵ですよ。特に今でも長靴でお見えになります。』
安比高原ゴルフクラブのキャディーさんが、岩手山の方を見ながら目を細めて言った。

今日は、色々な意味で自分を確認する日だ。

安比高原ゴルフクラブは、今から20年前にデビュー。当時は素人娘のようなはじらいを、コースのあちこちでに見せていた。早朝、八幡平の連山から迷って出てきたツキノワグマが足跡を残している横にボールが落ちて、びっくりしたりもした。

サラリーマンの新人時代、リクルート・グループで最も僕が憧れていたのが一の宮さんだ。岩手県出身で、知的バーバリアンと自らを呼び、その通り百姓とビジネスマンの2つの局を、大きくゆれながら色んな話をしてくれた。飲みすぎて、深夜の小山屋の扉を開けると、宮沢賢治の愛した夜空が森林を飲み込み、コオロギと鈴虫に合わせるようにあちこちで星が流れたいた。

----- 「まっとうな感性」を持ち合わせた先輩と、それ以来会っていないかもしれない-----。

東京という巨大なスケールに飲み込まれないようにと、必要以上に身構えているうちに、僕は何時の間にか人生の目盛を細かくし過ぎたのかもしれない。

27ホールプレーしたあと、十勝大福の駒野君とコムサの田村君がJR安比高原から帰っていった。

赤とんぼが無数のカップルになって交尾している。

あの頃も、夕焼けの中で、赤とんぼが異常発生し、グリーンの上でパットができない位だった。

僕はいぜんよりゴルフの腕を上げたようで、クラブの進化のせいか飛距離も20ヤード位伸びている。

一の宮さんと久々にプレーをしたいなぁ・・・。

赤とんぼを見ると、一の宮さんを思い出す。